戻る
379 名前:   投稿日: 02/07/23 00:46 ID:gbxic/fZ
再び矢口の楽屋からネタ帳を発見する5期メンと3巨頭。
表紙には"TVドラマ『タイフーン娘。』企画書"とある。
さっそく中を拝見すると、まだ新しいせいかこれしか書いてなかった。

第01話「台風を呼ぶ転校生、マリ登場!」
第02話「本当の台風娘はどっち?ライバルはチャーミー!」
第03話「風雲急を告げる教室!ハリケーンよっすぃー!」
第04話「どっちの味方?センセーション(旋風)後藤、軽やかに見参!」
第05話「もうお手上げ!竜巻きコンビ辻ちゃん加護ちゃん」
第06話「なにを見てるんですか?サイクロン飯田はおかしな先生」
第07話「わたし信じてるから!つむじ風新垣、疑惑の生徒会選挙」
第08話「もう泣かないで!木枯らし小川は悪くない!」
第09話「今なんて言ったの?春一番高橋の意外な秘密」
第10話「頼りになるのはあなただけ!生徒会長、かまいたち保田!」
第11話「天才娘あらわる!そよ風紺野、さわやかに登場」
第12話「私達は天使じゃない!からっ風なっち、最後の挨拶」
第13話「さようなら先生!六甲おろし中澤、涙のウェディングドレス」

原案/企画/監督/脚本:矢口真里
制作:テレビ東京




いったいどういう話なのか、やはり覗いてしまったばかりに本人には聞けない一同であった。
380 名前: 名無し募集中。。。 [sage] 投稿日: 02/07/23 01:35 ID:c/Ls1BpT
第01話「台風を呼ぶ転校生、マリ登場!」
〜あらすじ〜
 モーニング学園に転校してきた少女マリは、実は台風界のプリンセス。
 「ヘクトパスカル、ミリバール!」の呪文で台風を自在に操れるのだ。
 だが、空からタクシー代わりに乗ってきた台風9号が
 みんなの楽しみにしていた遠足を中止させてしまったことを知り、深く落ち込むマリ。
 マリはせめてもの埋め合わせに、とみんなの嫌いなマラソン大会を
 台風パワーで中止させるのだった。
 「んじゃ、マラソン大会の代わりに抜き打ちテストやるでー」
 「えー」
 かえって落ち込むマリであった。

ここまで書いて、なんかイケそうな手応えをつかむ矢口。
381 名前: ねぇ、名東って [sage] 投稿日: 02/07/23 06:28 ID:OMY7bfDi
第02話「本当の台風娘はどっち?ライバルはチャーミー!」
〜あらすじ〜
大型台風10号の接近で授業が午前中で打ち切りとなり、下校の
準備におおわらわのモーニング学園。その中には嵐の予感に胸を
高鳴らせるマリの姿もあった。
台風一過の翌日。しかし本当の嵐はこれからだった・・・

前日のあわただしさの中で、クラスの担任がホームルームの時間に
みんなから集めた給食費をそのまま教室に置き忘れ、現金の入った
袋ごと給食費がなくなっていることが発覚!

焦る担任によって執拗に続けられる犯人捜し。その時「マリさんが
怪しいと思いまーす」と手を挙げたのが、マリが転校してくるまで
台風娘。として君臨していたチャーミーであった。
「だって昨日の帰りに一番遅くまで残っていて、ずっと窓から外を
眺めていたんですよ? 変じゃないですかぁ」転校生のマリは誰
からも助け舟を出してもらえず、教室でひたすら吊し上げられる。

(ちくしょー、オイラそんなことしてないのに!)ピンチに陥った
マリがのぞき込んだ魔鏡「野分(のわき)」に映し出された、意外な
真犯人とは!?

以降の話もうまくつながるよう、ネタ出しに必死の矢口
382 名前: 名無し募集中。。。 [sage] 投稿日: 02/07/23 09:00 ID:c/Ls1BpT
第03話「風雲急を告げる教室!ハリケーンよっすぃー!」
〜あらすじ〜
魔鏡「野分」に映し出された真犯人は、なんとチャーミーその人だった。
台風娘の座を奪ったマリを陥れようとジサクジエーンしていたのである。
だが、魔鏡の存在を公にはできない。
苦悩するマリの前に「チャーミーが給食費を隠すのを見た」と言う少女が現れる。
その名は、吉澤ひとみ。通称「ハリケーンよっすぃー」
彼女の証言により、マリの疑いは晴れたのだった。
「キーッ、おぼえてらっしゃい!」
ますますマリにライバル意識を燃やすチャーミー。

今回の一件でよっすぃーと仲良くなったマリは、吉澤家に招待される。
よっすぃーの家は「破裏拳」という謎の一子相伝拳法を代々伝える家柄で、
長女であるよっすぃーはその正統継承者なのだ。
感心するマリに、よっすぃーは意外にも弱気な言葉を漏らす。
「今度、異種格闘技戦に出るんだけど・・・勝てないかも知れない」
「えっ、なんで?」
聞けば、その大会のスポンサーはチャーミーの父親の会社で、
しかも対戦予定の「センセーション後藤」という選手はチャーミージムの所属なのだ。
「後藤さんはただでさえ強いのに、もし審判とかにズルされたら・・・」

そして大会当日。
よっすぃーと共に会場入りしたマリは、チャーミーと鉢合わせする。
「よっすぃーも可哀想ね。マリさんの味方をしなければ不利な判定もなかったのに」
と、チャーミーはいきなり「ズルしてます宣言」。
(いざというときは会場に台風持ち込んでノーコンテストにしてやる)
そう決意しつつ、よっすぃーの試合を待つマリ。

ついによっすぃーVS後藤の試合。
むろん、状況は絶対的によっすぃー不利。
だがリングインした後藤は、意外な言葉を口にする・・・。

   ちょっと長くなっちゃって申し訳ないと思いつつ、
   「でもおいら誰に謝ってんだろう」とひとりツッコミをする矢口
413 名前: あ、名無しだよ! [sage] 投稿日: 02/07/24 19:33 ID:wUe+CcTw
第04話「どっちの味方?センセーション(旋風)後藤、軽やかに見参!」
〜あらすじ〜
「ごとー、やっぱやめる」
衝撃の一言に揺れる試合会場。センセーション後藤に棄権など考えられない。
「いったいどうしたの?今年こそ優勝のチャンスなのよ?!」
チャーミーのプチパニックな言葉に思わずうなずいてしまうマリ。
しばらく目をそらしていた後藤が、ついにその問いに答える。
「チャーミーにはずいぶんお世話になってきたし、それは感謝してるの。
でもハリケーンよっすぃーはずっと私が追いかけてきたライバルなの。
だから正々堂々とできないのなら、この試合は降りる。生意気言っちゃって、ごめんね、チャーミー」
誰も何も言い返せず、会場を沈黙が覆う。後藤の棄権は、自動的に吉澤の優勝を意味する。
「なら、私も降りる・・でも後藤さんとの勝負はつけたいの!いい?」
「ええ、もちろんよ!さあ、かかってきて、よっすぃー!」

(ここより戦闘シーン。その光景、筆舌に尽くし難し)

夕暮れ、勝負のつかないまま二人の体力は限界に。
「さすがね、ハリケーンよっすぃー・・!」「あなたこそ、センセーション後藤・・!」
どうやら勝負の決着は来年に持ち越されたようだ。
拳の友情とともに帰って行く二人をマリとチャーミーも並んで見送る。
「うらやましいね、チャーミー・・」
「そうね。でも勝負はまだついてないわ!マリとの決着もおあずけよ!」
「な!?」
チャーミーの勝手な捨て台詞に絶句するマリ。どうやら先が思いやられそうだ。

ところで事実上、決勝戦となるはずの3位決定戦であったが、選手が吉澤・後藤に
こてんぱんに打ちのめされたため試合にならず、結局大会そのものがお流れとなった。
3位決定戦のカードには「藤本vs松浦」と書かれてあったが、それはまた別の話。

 やっぱ長いかな〜、ま、いっか♪と最近調子の良い矢口
418 名前: 名無し募集中。。。 [sage] 投稿日: 02/07/24 20:55 ID:WfPPn0wG
第05話「もうお手上げ!竜巻きコンビ辻ちゃん加護ちゃん」
〜あらすじ〜
 ある休日の朝、目覚めるマリ。だが、いつもと何かが違う。
 なんと両隣に、ちびっこがふたり寝ているのだ。
 台風界でいつも一緒に遊んでいた妹分、辻ちゃんと加護ちゃんだ。
 「あ、あんたたち、なんでここにいるのっ!?」
 聞けば、ふたりは台風界からマリの後を追ってきたのだという。
 帰れと言って聞く二人ではなく、マリは今日一日だけという約束で人間界を案内する。

 マリに連れられ、東京見物をする辻加護。だが、平穏に済むはずもない。
 渋谷に突風を巻き起こし、新宿にいきなりの大雨を降らせ、
 浅草雷門では面白がって本物の雷をバシバシ落とす。
 「わーい、おもしろーい!」「やめなさいって、こら!」
 とりあえず通行人に謝りながら、辻加護を追いかけるマリ。
 だが、マリがちょっと目を離したスキに、二人が迷子になってしまう。
 「まさか、お菓子あげるよ、とか言われて誘拐されたんじゃ!」
 ありえる。すんげぇありえる。真っ青になって探し回るマリ。
 そこにチャーミーが現れる。
 「マリ、今日こそ決着をつけてやるわ!覚悟しなさ・・・」
 「それどころじゃないの、一緒に探して!」
 誘拐かも知れない、と聞いたチャーミーはマリとの一時休戦を宣言。
 携帯電話で命令を下すと、チャーミーグループの社員たちが総出で辻加護捜索を開始する。
 「チャーミー、ありがとう・・・」
 「お礼なら、見つかってから言って!」

 そして事件は、意外な終息を迎える。
 遊び疲れた辻加護は、マリの部屋ですぅすぅ寝ていたのだ。
 顔を見合わせて笑うマリとチャーミー。ついにふたりにも友情が芽生えたか・・・?
 「そんなわけないでしょ!次こそぎゃふんと言わせてやるわ!おぼえてらっしゃい、マリ!」

 すっかり満足して、台風界へと帰っていく辻加護。
 「またくるねー」「来んでええわい!」
 言いながらも、ニッコリ笑顔のマリだった。

   ――なーんか実生活とあんまり変わんないな、と思いつつ、
   長さはもう気にしないことにした矢口。ごめんなさい。
504 名前: ねぇ、名東って(420) [sage] 投稿日: 02/07/28 00:01 ID:wbHiuKVU
>>492
第02話に続いて書かさしてもらいます。

第06話「なにを見てるんですか?サイクロン飯田はおかしな先生」
〜あらすじ〜

辻加護コンビの騒動も一段落し、ドラマの舞台は再びモーニング学園に戻ってきた。

マリの担任・サイクロン飯田は生徒指導の主任教師。 普段はトボケた天然キャラの
持ち主だが、ひとたび問題ある生徒に出くわせば容赦ない指導ぶりを発揮することで
学園の生徒達には恐れられている。
「サイクロンってさー、電波でアタシらを見張ってるらしいよ!?」
「えーっ、ウッソ〜?  でもさ、そんな気がする時ってあるよね・・・」
このような噂も、彼女に限っては時として真実たりえた(藁)。

―――飯田先生の様子が変。
マリのクラスで新たな噂がささやかれるようになったのは数日前のこと。
これまでも授業中に彼女の意識が不意にどこかへ飛んでしまったり、脈絡の無い話題
を切り出したりすることはちょくちょくあったが、最近の彼女の言動は明らかにそれ
とは別種の危うさを感じさせた。

「ねえ、よっすぃーも聞いてるよね。飯田先生のこと」
「うん・・・一応」
雑談をするような調子でよっすぃーに話しかけたあとで、マリはスッと教室を出た。
よっすぃーも手洗いに立つような自然さで席を離れ、廊下から屋上に続く階段へと
向かう。 校舎の屋上では既にマリが待っていた。そして、マリの隣にはあの後藤の
姿があった。

「え・・・!? な、なんで後藤さんがココに・・・? 後藤さん、モーニング学園の
生徒じゃないのに」
戸惑うよっすぃーにマリが言った。
「オイラが呼んだんだ。飯田先生の噂とも関係があるから」



根性が尽きたので、今宵はここまでに致したい矢口(眠)
557 名前: ねぇ、名東って [sage] 投稿日: 02/08/03 09:24 ID:xdJSapJ3
お待たせしました6話の続きです。

「・・・これなんだけど」
後藤がポケットから取り出したのは1枚の紙片だった。墨痕も鮮やかにしたためられた
それは、後藤宛ての手紙のようだった。
「ちょっと読ませて・・・『あまねく天下にタイフーン娘。を求む〜(後略)』なにコレ?」
よっすいーにとって、初めて聞かされる話だった。

「手紙の差出人は『ジュン特Q』の列車♂さん(つーく♂:つんく♂友情出演)って人。
マリさんの所にも届いてるって言われたから学園まで来てみたの」
「たぶん、よっすぃーの所にも送られてきたと思うんだけど・・・よっすぃーの家は
あの『破裏拳』があるからね。お父さんが見せないように捨てちゃったのかもね」
「えー、全然知らなかったよ!」
憤慨するよっすぃー。マリは話を続ける。
「それで、先生の所にもオイラたちと同じ手紙が届いてるんだ。 どうも列車♂さんは
ある特定の人たちを集めて何かをやろうとしてるみたいなのね。先生の様子が最近ヘン
なのは、これが原因なんだと思う。絶対に」

同じ頃、職員室の入り口にはチャーミーが立っていた。そしてその手には、勿論例の手紙が
握られている。
「失礼します・・・先生。 飯田先生?」
傍目にもはっきりと分かるほど、空気中に火花放電を飛ばして交信真っ最中のサイクロン飯田。
彼女のデスクの上には、何度も出し入れされたらしく皺だらけになった紙片が置いてある。
ぼんやり開いた瞳には何も映っていないようだ・・・。
いや、唯1つ、列車♂からの手紙を除いては。


そろそろタイフーン娘。の核心に触れていくようにしたいんですが、後藤と保田の
次週超衝撃緊急大展開にどうしたものか悩む矢口
※Zug(つーく)/列車 は独逸語です。
587 名前: 名無し募集中。。。 [sage] 投稿日: 02/08/06 13:00 ID:1MqOiS6w
不定期ドラマ「タイフーン娘。」
●07話「わたし信じてるから!つむじ風新垣、疑惑の生徒会選挙」
マリ、後藤、よっすぃーの元に「つーく」と名乗る人物から届いた謎の手紙。
ただの悪戯か、それとも・・・?
マリたちが屋上で悩んでいると、ばごーんと出入口が開いた。
「あんたたち、屋上は立ち入り禁止だって言ってんでしょ!」
現生徒会長、鬼のダーヤスこと保田圭だった。
「そんなに怒らないでよ、保田さん。選挙近いんだから愛想振りまかないと」
「いいから早く出て行きなさいよ!行かないとキスするわよ!」
「オエー。出ていきます出ていきます」
睨み付ける保田を振り返りつつ、後藤が言う。
「あの人・・・」
「ウチの生徒会長だよ。ああ見えて、意外と人望あるんだ」
「次の選挙も、きっと信任投票だよね」
(・・・あの人、前にどこかで・・・)
後藤の胸に、かすかな記憶が甦る。だが、具体的にそれが何なのかは思い出せなかった。(伏線)

さて、マリとよっすぃーの会長選挙予報は見事に外れた。1年の新垣里沙が、いきなり生徒会長に立候補したのだ。
『学園につむじ風!アナタのニィニィにラブラブな一票を!』
そんなコピーの踊るポスターが、学園のあちこちに貼られる。
学校放送のCM買い取り、モデル顔の兄ちゃんを引き連れた演説会、プレゼント攻勢・・・。
新垣の選挙運動は、学園の女生徒たちを確実にトリコにしていった。
588 名前: 名無し募集中。。。 [sage] 投稿日: 02/08/06 13:01 ID:1MqOiS6w
「保田さん、このままでいいんですか!?」
新垣の活動を見ても行動を起こさない保田を見かねて、マリとよっすぃーは生徒会室を訪れる。
しかし、保田は取り合わず「選挙運動より会長としての職務が大事」と言いきった。
そこに現れる、おなじみチャーミー!
「しばらくね、保田さん。悪いけど、今度の生徒会長は里沙ちゃんに決まりよ」
なんと、新垣のバックにはチャーミーがついていたのだ。
「あんた、また何か企んでるわけ!?」
「さあ、なんのことかしら?別に私は、影で生徒会を仕切ろうなんて思ってないわよ!」
チャーミーへの対抗心もあって、マリとよっすぃーは全面的に保田のバックアップを決意する。

会長職に忙しい保田の代わりに、校内をくまなく選挙運動をして回るマリとよっすぃー。
よっすぃーの拳法の試技と、マリの台風芸で少しずつギャラリーも集まるようになってきた。
「会長にはダーヤス、保田圭をお願いいたします!」
「ラブラブニィニィ、あなたのラブラブニィニィをよろしくラブぅ〜!」
事前のアンケートでは、保田・新垣それぞれの支持は半々。
勝負は、明日行われる本番の投票へと持ち込まれた。
589 名前: 名無し募集中。。。 [sage] 投稿日: 02/08/06 13:01 ID:1MqOiS6w
選挙戦も最終日。いつものようにチャーミーに言われたとおりの演説を終えた新垣は、
ひと休みすべく校舎裏の花壇へと足を伸ばした。
(ここのお花、いつもきれいなんだよね・・・)
彼女の父親は、チャーミーの父の会社で総務課長をしている。いわゆる中間管理職だ。
『もし、私の言うとおりにして生徒会長になったら、お父さんのことパパに口をきいてあげてもいいわよ』
気苦労の絶えない父親の背中を見ていた新垣には、その誘いを断ることができなかった。
チャーミーの傀儡になることがわかっていても、会長になる必要があるのだ。
と、新垣は足を止めた。花壇の隅で、花に水をあげている人影が見えたのだ。
(あれは、保田さん・・・?)
見ると、保田が花に水をやっている。その横顔は、小さいものへの愛情に溢れていた。
「あれ、このタンポポ元気ないなぁ。せっかく、四本揃ってキレイに咲いてたのに・・・ン?」
新垣に気づく保田。
選挙は平等とは言え、3年の会長に喧嘩を売っている立場である。新垣は身を強張らせた。
「・・・あんた、新垣でしょ? あんたも花好きなの?」
意外な保田の言葉。そして、笑顔。
「はい・・・心が、休まる気がして・・・」
「そう。じゃあ、あたしと一緒だ」
「保田さん、タンポポ好きなんですか・・・?」
「うん。むかし、大事な友達がタンポポを一生懸命育ててたの。それで、あたしも気になって」
タンポポが、やわらかく風に揺れる。
「・・・ねえ新垣。あたしが卒業しちゃったら、このタンポポ、あんたが世話してくれないかな」
「私が・・・ですか!?」
「あたしは、所詮タンポポみたいに可憐には咲けないからね。
 あんたなら、きっとタンポポの気持ちがわかる――タンポポになれるんじゃないかと思って」
そう言って、保田は笑った。
新垣には、返事をすることができなかった。
590 名前: 名無し募集中。。。 [sage] 投稿日: 02/08/06 13:02 ID:1MqOiS6w
ついに生徒会選挙の投票が行われ、即日開票される。
結果は――新垣の圧勝だった。
チャーミーの裏工作は、選挙管理委員にも及んでいたのだ。
事前アンケートとは大幅に違う結果に、マリとよっすぃーは猛抗議する。
どこに証拠があるの、と反論するチャーミー一派との大口論。
しかし、それを止めたのは当の保田だった。
「もういいよ、マリもよっすぃーも。あたしは、あと半年もすれば卒業だもの。
1年生に任せた方が、新鮮でいいじゃん」
「保田さん・・・」
「ほら、ごらんなさい。保田さんも負けを認めたんだから、マリたちもとっとと帰んなさい、ぷーだ!」
勝ち誇るチャーミー。
しかし、その時ずっと黙っていた新垣が口を開いた。
「・・・ダメです・・・やっぱり、会長は保田さんじゃなきゃダメです!」
チャーミーの制止をふりきり、不正の証拠としてマリたちにゴミ箱を見せる新垣。
そこには、捨てられる直前の保田票が大量に捨てられていた。
「だ、だから早く焼いてしまえばよかったのに! 里沙ちゃん、覚悟はできてるわね!」
「・・・かまいません。この学園には、私たちにはまだ保田さんが必要なんです」
新垣の決意に溢れた目に圧倒され、チャーミーは開票場を後にする。
「キーッ、おぼえてらっしゃい、マリ!」
「なんでおいらなのさ!」

票の再集計が行われた結果、僅差ながら保田が会長に再選される。
「ま、別にいいんだけどさ・・・あたし、ホントにあと半年しかいられないんだよ?」
「それでもいいじゃん」
「そーそー。鬼のダーヤス、もうしばらく頑張ってもらわないと」
笑いあうマリとよっすぃー。
新垣の言っていたとおり、別れのその瞬間までモーニング学園には保田の力が必要なのだ。

その頃、花壇では。
笑顔でタンポポに水をやる新垣の姿があった。
(保田さんの大事な友達さんのためにも、私もタンポポを育てるお手伝いをします・・・)
それにしても、とジョウロを置く新垣。
「この手紙、いったいなんなんだろう・・・?」
それは、「つーく」よりマリたちにも送られたあの手紙だった。
「あまねく天下にタイフーン娘。を求む・・・」

――ここから現実に完全リンクは無理っぽいので、
 なんとなーくそれっぽくしてみようか、と提案する長文矢口
696 名前: そろそろ続き [sage] 投稿日: 02/08/22 03:19 ID:hyICrMmp
>>594
不定期ドラマ「タイフーン娘。」
●第08話「もう泣かないで!木枯らし小川は悪くない!」

「いくらあんたたちの頼みでもねぇ・・・」
 生徒会長・保田が困り顔でクルクルとペンを回す。
 彼女に詰め寄っているのはマリと吉澤、そして1年の小川麻琴であった。
「部員が1人しか居ないんじゃ、廃部にするしかないでしょう?」
「そこをなんとかしてって言ってんじゃん!」
 熱を帯びるマリと保田のやりとりを、遠慮がちに小川が止める。
「あの・・もういいです。私が悪いんですから・・・」
 問題の部活とは、山岳部。小川は、その唯一の部員なのだ。
 しかし、学校の規定では部員が5人以上いない部は、廃部になってしまう。
 前回の一件で仲良くなった新垣から小川の話を聞いたマリたちは、なんとかしてあげねば、と乗り出してきたのだ。

「・・・小さい頃からそうだったんです。私の入るクラブはすぐ廃部になったし、通った塾は倒産しました。
委員会も解散したし、子供会も人数不足ですぐになくなりました。
まるで私の行くところ行くところ、いつも冷たい風が吹くようで・・・。みんな、私のことを木枯らしって呼ぶんです」
 校庭の片隅で、うつむきながら小川は語る。巡り合わせの悪い境遇である。
「でも、仕方がないですよね。これ以上、マリさんとよっすぃーさんに迷惑かけられないですもん。
それに無理に部員を集めるのも、なんか違う気もしますし!」
 つとめて明るく、小川は言う。そのカラ元気がいじらしく、哀しい。
 マリとよっすぃーが打ちひしがれたその時、背後から声がする。
『・・・小川っていうの、アナタ?』
697 名前: 続き2 [sage] 投稿日: 02/08/22 03:20 ID:hyICrMmp
 そこに立っていたのは、3年生の木村アヤカだった。英語に堪能な、学園でも1、2を争う才媛である。
「部員募集のチラシ見たんだけどさ、山岳部ってまだ入れるかな?」
「え・・・」
 意外な言葉であった。まさか部員が見つかるとは!
「でもアヤカさん、ココナッツ早食い同好会に所属してるんじゃ・・・?」
「アレはアレ、これはこれよ。英語で言うとザットイズザット、ディスイズディスね」
「絶対テキトー言ってる」
 何はともあれ、部員が増えることは喜ばしい。マリとよっすぃーを勘定に入れれば、
あと一人で山岳部は廃部を免れるのである。あと一人、あと一人で・・・。
「それって、アタシのこと?」
 ばーん。現れたのは誰あろう、生徒会長保田圭であった。
 実はアヤカも親友の保田から事情を聞かされ、入部を希望したのである。
「生徒会規約曲げなくても、ちゃんとこーやって5人揃えればいいんだからさぁ」
「さすがダーヤス!だてに顔怖くないね!」
「ひっぱたくよ」
「ありがとうございます、皆さん・・・」
 小川が涙ぐむ。とりあえずみんな臨時部員とはいえ、5人揃ったのだ。
 これは廃部は免れる・・・はずだったが。
「じゃすとあもーめんとぷりーず、ですわよ!」
 取り巻きを従えて現れたのは、マリの永遠のライバル・チャーミーだった。
「ふふん。あなた方は生徒会規約をちゃんと理解してないようね!」
 チャーミーが言うには、一度廃部が決定した部が復活するには、5人以上の部員が揃った上で、
部長会の過半数の承認がなければ認められない、というものだった。
 しかし部長会は形式だけのもので、部の復活に反対などあるはずもない。
698 名前: 続き3 [sage] 投稿日: 02/08/22 03:21 ID:hyICrMmp
「と・こ・ろ・が!」
 喜々としてチャーミーが取り出したのは、部長会全員分の委任状だった。
 つまり、チャーミー1人の意志で山岳部が復活出来るか否かが決まる、ということだ。
「お前、また裏でいろいろやったな!」
「おっほっほ、私に逆らう者をいじめるためなら何でもするわ!・・・特に、マリはね!」
 マリは歯がみした。結果的に、小川を助けたつもりが足を引っ張ってしまっているのだ。
 チャーミーは勝ち誇った笑みを浮かべる。
「でもね、私も鬼じゃないの。私の出す条件をクリア出来たら、山岳部の復活を認めてもいいわよ」
 その条件とは、24時間以内の富士山の登頂!
 もし頂上まで行けたら、山岳部は復活。行けなければ廃部確定である。
「面白いじゃない。小川、この勝負受けるよ!」
「は、はい!」
「ふっ・・・決まりね」
 チャーミーには、この賭けに勝算があった。現在、関東地方に台風13号が接近しているのだ。
 富士山に登頂する頃には、ちょうど山は荒れ模様になっているはず。
 頂上までたどり着けるはずがない、と踏んだのである。
 だが、マリは台風界の王女。台風を操ることなど朝飯前である。
 マリはチャーミーの策略まで見抜いた上で、勝負を受けたのだ。
『チャーミー、おいらの力、思い知るがいいよ!』
699 名前: 続き4 [sage] 投稿日: 02/08/22 03:22 ID:hyICrMmp
翌日。マリ、よっすぃー、保田、アヤカ、そして小川の5人と、
「この目で確認するわ」とやってきたチャーミーは、富士山の五合目にいた。
すでに空は曇り、ラジオからは台風情報がしきりに流されている。
「危険はあるけど・・・行くのね?」
 保田の確認に、全員が頷く。もう後には引けない。
 小川を先頭に、ついに頂上へのアタックが始まった。
 最初はからかいの言葉や小馬鹿にしたセリフを浴びせていたチャーミーも、
黙々と登る小川たちの姿に口数を無くしていく。
 いや、しゃべらなくなったのは、単に強くなる風雨のせいかも知れない。台風は、確実に近づいていた。
 ――そして、九合目。
 雨も風も、地上とは比較にならない強烈さである。
 山小屋で一旦待機することになった小川たちも、不安の色を隠せない。
「どーすんのよ、あなたたち!早いとこ降参して、下山するわよ!」
 半泣きのチャーミーが言う。だが、小川も保田たちも簡単に諦めるわけにはいかない。
『・・・そろそろ、いいかな?』
 タイミングを見計らっていたマリは「ちょっと様子見てくる」と山小屋を出て、南の空が見通せる場所へと歩を進めた。
 強い風も雨も、彼女にとっては子守歌と同じ。恐怖はゼロである。
「ヘクトパスカル・ミリバール!大いなる台風13号よ、我が意に従い、東の海へと抜けろ!」
 ぱちん、と指を鳴らす。
 ・・・だが、風も雨も止むどころか、ますます勢いを強め始める。
「そ、そんな・・・これって!?」
 うろたえるマリ。台風界の王女であるマリに、操れない台風などないはずなのに!
 そこに、男の声が響いた。
「・・・台風界の力が、弱まっとるんや」
「誰!?」
 いつ現れたのか、背後にサングラスの男が立っている。
「俺の名は、列車つーく・・・お前らに、メッセージを送ったモンや・・・」

――なんとなーく話の大筋が見えてきて、ちょっとホッとしている矢口。
今回も長文スマソ。
839 名前: お待たせを致しました1 [sage] 投稿日: 02/09/12 01:15 ID:3AAYuNsW
不定期ドラマ「タイフーン娘。」(前話は>>696-699)
●第09話「今なんて言ったの?春一番高橋の意外な秘密」

 突如富士山に現れた男――列車つーくに、マリは質問をぶつける。
「台風界の力が弱まってるって・・・どういうこと!?あなた何か知ってるの!?」
「知っとるのは、俺やない。このお方や」
 そう言ってつーくは振り返る。彼の後ろから現れたのは、マリの見覚えのある少女だった。
「・・・1年の高橋さん!」
 間違いない。保田の選挙の時、小川と一緒にいたのを見たことがある。
 しかしなぜ、彼女が?そんなマリの疑問に、高橋は意外な事実を口にする。
 実は自分が、「春一番」の妖精であること。
 闇に支配された妖精界から逃れて、人間界に身を隠していること・・・。
 台風界の人間であるマリだから信じたものの、普通なら誰も信じないおとぎ話である。
「このつーくは、私と一緒に妖精界から逃げてきたしもべなんですよ」
「・・・この人も妖精なの?」
 マジマジとつーくを見るマリ。なんかこう、どことなく胡散臭い。
「なんや、失礼なやっちゃな!こう見えても俺は列車の妖精やで!あと上沼恵美子に似とるし」
「それ関係ない」
840 名前: お待たせを致しました2 [sage] 投稿日: 02/09/12 01:16 ID:3AAYuNsW
――閑話休題。
「・・・でも、妖精界が闇に支配されたってどういうこと?」
「すべては、魔王ユーコのせいなんです」
 魔王ユーコ。マリにとって、初めて聞く名である。
 高橋が言うには、魔王ユーコはこの世界すべてを闇に染めようとしている、悪の根元らしい。
「それが、台風界を襲っているというの!?」
「今はまだ、外堀を埋めている段階です。しかし、魔王ユーコが本気になれば、
 いくら台風界と言えどもひとたまりもないでしょう・・・。妖精界が征服されたのも、あっという間でした」
 マリは唇を噛んだ。自分の故郷が、そんな危機に陥っていたなんて。
 父王や母君、妹、そして辻加護たちの姿が脳裏に浮かぶ。
「・・・いったい、どうしたらいいの?台風界を救うにはどうしたらいいの!?」
「そのために、あの手紙を出したわけや」
 つーくがニヤリと微笑む。そう、マリやよっすぃー、後藤たちが受け取った「タイフーン娘。」の手紙である。
「あの手紙を受け取った方には、多かれ少なかれ台風界人の血が流れているのです」
「マジで!?」
 意外であった。マリは当然ながら台風界の人間だが、よっすぃーや後藤にも同じ台風の血が流れていたとは・・・。
 マリと親しくなったのも、必然なのかも知れない。
「手紙を出したのは、あんたと愛様を含めて11人や。全員揃えば、魔王ユーコとも互角に戦える」
「いったい、あと誰に出したの!?」
「それが・・・」
841 名前: 3 [sage] 投稿日: 02/09/12 01:16 ID:3AAYuNsW
 つーくは言葉を濁す。手紙には意志があり、勝手に台風界の血を引く人間のところへ飛んでいったのだという。
 つーくという男、登場が謎めいていた割には役立たずであった。
「ほっとけ!」
 それにしても、ことは重大である。台風界を征服すれば、魔王ユーコは人間界にもその魔手を伸ばすだろう。
 台風界を救うためにも、一刻も早く「タイフーン娘。」を集結させる必要がある。
 だが、それはそう簡単なことではない。マリ、よっすぃー、後藤、飯田先生、高橋の他に、あと6人もいるのだ。
「・・・それでも、やらなくちゃ!その、よく知らないけど年増っぽい魔王なんかに負けてらんないもん!」
「その通り!」
 聞き覚えのあるその声に、マリはハッと振り向く。
 そこには、よっすぃーがいた。
「帰りが遅いから、見に来たんだ。偶然立ち聞きしちゃったけど、あたしも関係あることだからいいよね?」
 よっすぃーの目が燃えている。戦いと聞いて、格闘家の本能に火がついたのだろう。
「やろうよ、マリ!マリの故郷が危ないんでしょ?だったらなおさらやんなきゃ!」
「よっすぃー・・・」
 よっすぃーは、マリが台風界の人間であることを承知でそう言ってくれている。
 それはマリにとって、あまりに心強い言葉であった。――少なくとも、つーくより何百倍も。
「だからほっとけちゅーねん!」
842 名前: 4 [sage] 投稿日: 02/09/12 01:17 ID:3AAYuNsW
 高橋がマリたちの前に進み出る。
「こうしてはいられません。すぐに学校に戻り、残りのタイフーン娘。メンバーを捜しましょう」
 力強く頷くマリ、そしてよっすぃー。今ここに、タイフーン娘。はその第一歩を踏み出したのである。

一方その頃。
 ひとけのないモーニング学園の職員室では、飯田先生が嵐の吹き荒れる窓の外を見つめていた。
「・・・ついに、タイフーン娘。が始動する・・・。あの人と戦うために・・・」
 美しい横顔に、憂いの色がにじむ。
「・・・彼女を、目覚めさせなければならない・・・。私の手で・・・」
 ピカッ。稲妻が、飯田先生の姿を照らす。その目の光は、狂気じみた決意に満ちていた。

そしてまた一方その頃。
 富士山九合目の山小屋では、一向に帰ってこないマリとよっすぃーの身を案じつつ、
 ますます強くなる風雨にビビっている小川たちがいた。
「マ、マリさんたち、どこまで行っちゃったんでしょうか・・・?」
「あいつらのことだから心配は要らないけど、あたしたちどうなんのかしら・・・」
 その途端、突風が山小屋の屋根を吹き飛ばした。
「ぎにゃーっ!」
「助けてー、ヘルプミー!」
「おぼえてらっしゃい、マリーっ!」
「・・・次回までに、下山できてるといいけど・・・」
 もうすっかり山岳部なんかどうでもよくなっている一同であった。
                                   (次回に続く)

――あと4話で収拾つくのかなぁ、とちょっと不安になってきた矢口。
(〜^◇^)<紺野、もうすぐ出番あるよ。
川o・-・) <ここまで引っ張ったんですから、かなりいい役ですよね?
(〜^◇^;)<・・・・・・・。
944 名前: 名無し募集中。。。 [sage] 投稿日: 02/10/07 02:10 ID:mpFLku65
不定期ドラマ「タイフーン娘。」(前話は>>839-842)
●第10話「頼りになるのはあなただけ!生徒会長、かまいたち保田!」

「だからゴメンって言ってるじゃ〜ん」
「うるさい、バカ、黙れ、近づくな」
 生徒会室に、マリと保田の声が響く。
 保田は前回、富士山の九合目に置き去りにされたことを怒っているのだ。
 あの台風の中、小川達を連れて無事に帰還するとはさすがに保田である。
「まあまあ保田さん。マリも謝ってるんだし、ここはこのよっすぃーの顔に免じて・・・」
「あんたも勝手に下山したでしょーが!」
「うえーん、保田さん顔が怖いー」
 そんな先輩連中の様子を、笑顔で見守る小川と新垣。
 二人は世話になった保田を補佐すべく、それぞれ生徒会の書記と副会長に就任していたのだ。
 なんのかんの言って、意外と人望の厚い保田に感心するマリとよっすぃーであった。
「でも、ホントは脅されたんでしょ?」
「そこ、うるさい!」

 こんな平和っぽい学園生活を送っているマリたちだったが、お気楽なだけではいられなかった。
 あと6人のタイフーン娘。を捜さなければならないのだ。
 すでに後藤にはコトの次第を話し、独自に捜索をしてもらっている。高橋も同様だ。
「飯田先生は?」
「それが・・・なんか休暇とって旅行に行っちゃったらしいんだよね」
 彼女らしいといえば彼女らしいのだが、と頭を抱えるマリ。気苦労の絶えない主役である。
 あと6人――それがどこにいるのか、まったく手がかりはない。
 富士山から帰ってからというもの、毎日のようにあちこちを歩き回って捜索しているが、そう簡単に見つかるものでもない。
 いささかマリたちにも閉塞感のようなものが漂っていた。
945 名前: 10話/2 [sage] 投稿日: 02/10/07 02:11 ID:mpFLku65
「何、人捜し?」
 そんなムードを察したか、保田が明るく声を掛ける。
「そうだけど・・・かなりアバウトな話なんだよね」
 保田に話して何になるものでもないが、「つーく」という男から手紙が来た女の子を捜している、と告げるマリ。
「あと6人いるはずなんだけど、世界中のどこにいるのかも分かんない始末で・・・」
「そうそう。こんなこと保田さん達に話してもしょうがないんだけど・・・って、なにその紙切れ!?」
 見ると、保田、小川、新垣の3人がそれぞれ胸ポケットから同じ封筒を取り出していた。

 ――その頃。飯田先生は、北海道にいた。
「・・・ここに来るのも、5年ぶりね・・・」
 真顔で呟く。風が吹く。長い髪がなびく。その手には、タイフーン娘。を募るあの手紙がある。
「この手紙、あなたのところにも届いているはずよね・・・」
 飯田先生は目の前にある建物――病院へと歩みを進めていった。

「いやー、偶然ってあるんだねぇ・・・」
「よっすぃー、これご都合ってやつだよ」
 マリが呆れたように言う。それもそのはずだ。
 保田、小川、新垣といっぺんに3人も「タイフーン娘。」が見つかってしまったのである。しかも、こんな身近に!
「ただのイタズラみたいな気もしたんですけどね」
「なんかこの手紙が気になってたんです」
 小川と新垣が言う。捨てるに捨てられなかったところが、微かに流れる台風界の血なのだろう。
 だが、問題が一つある。果たして魔王だの台風界だのと説明して、保田たちが信じるだろうか?
 いや、信じてもらえたところで、戦うことを納得してもらえるだろうか?
 ただのお遊びではない。強大な力を持つ魔王との「戦争」である。
 格闘家としての闘争本能を持っているよっすぃーと後藤はともかく、保田たちはただの女の子なのだ。
 ともかく、話をしないことには始まらない。マリは魔王ユーコのことを順を追って話し始めた。
946 名前: 10話/3 [sage] 投稿日: 02/10/07 02:12 ID:mpFLku65
 やけに白く塗られた病棟の一室に「彼女」はいた。
 ベッドから身を起こして座るその姿に、飯田先生は優しく声をかける。
「・・・久しぶりね、なっち」
 なっちと呼ばれた女性、安倍なつみはゆっくりと首を動かし、飯田先生を見つめた。
 その瞳には生気が感じられない。記憶と感情を失っているのだ。
 なっちの首筋をそっと抱いて、飯田先生は呟く。
「・・・ごめんね、なっち。もう一度あなたを目覚めさせなければならない・・・」
 ベッドサイドの小さなテーブルには、封の切られていないつーくからの手紙が置かれていた。

「・・・つーわけなんだけど・・・信じてもらえる?」
 マリの説明を聞いた小川と新垣はポカンと口を開けている。
 台風界とか魔王だとか言われてもなかなか実感もないし、ゲームのやりすぎ程度に思われても仕方ないだろう。
 だが、保田の目は真剣だった。
「・・・それで、わかったわ。ちょっと見てて」
 そう言って、保田がスッと右手を挙げる。
 ひゅっ。がこん。
 軽く手を振り下ろすと、部屋の隅に置いてあった花瓶が縦に真っ二つに割れた。
「!」
「・・・かまいたち!」
「子供の頃から、自分だけこんな事が出来るのを不思議に思っていたの。でも、マリの話を聞いて納得したわ」
 それは、彼女が台風界の血を引くことの何よりの証拠だった。
 保田はマリたちと共に戦うことを承諾した。つまり、タイフーン娘。への参加表明である。
 戦闘力といい存在感といい、頼りになる存在がまた一人増えたことになる。
「で、あんたたちはどうする?誰も強制はしないよ?」
 保田が小川と新垣に訊く。
 新垣は「保田さんが行くなら」と即答し、小川は一つだけ条件を出した。
「その、魔王ユーコを倒したら・・・」
「倒したら?」
「・・・みんな、山岳部に入ってもらえますか?」
947 名前: 10話/ラスト [sage] 投稿日: 02/10/07 02:13 ID:mpFLku65
 なっちの目を、飯田先生の手のひらがそっと塞ぐ。
 5年前に、泣きじゃくるなっちの記憶を封印した時と同じ恰好だ。
「・・・いくよ、なっち」
 飯田先生の手のひらに極小のサイクロンが発生し、なっちの頭部を包んでいく。
「目覚めよ、安倍なつみ・・・!」
 風が止み、飯田先生の手が離れる。
 まぶたを開いたなっちの目には、明らかな意志があった。
「・・・『時』が来たんだね、カオリ」
「うん・・・ごめんね」
 力無く微笑むなっち。その瞳に、深い深い哀しみが溢れる。
 飯田先生は、泣いていた。

「つーわけで、あと飯田先生が帰ってくれば今判明してるタイフーン娘。は全員集合って事になるね」
 とあるファミレスの大テーブルにマリ、よっすぃー、後藤、保田、高橋、小川、新垣が揃っている。
 初対面組の自己紹介も終わり、とりあえずは和気藹々の雰囲気だ。
 そんな中、後藤は対面に座る保田の顔をちらちらとうかがっていた。
(やっぱりこの人、どこかで会ったことある・・・)
 明確には思い出せない。だが、それは確かに後藤の胸に残っていた。
 保田は。――保田は何も語ろうとはしなかった。

 その頃、モーニング学園の前に一台のタクシーが到着する。
「お釣りは要らないので、領収書だけ下さい・・・。名前は紺野で」
 降りてきたのは、眼鏡を掛けた少女だった。
 その眼鏡を外し、つぶらな瞳で学園を見上げる。
「ここが、明日から私の通う学校・・・」
 爽やかな風が、校庭に吹いていた。         (つづく)

 1話目を書いた時はこんな話になるとは思っても見なかった矢口。魔女っ子ものだったし。
 スレ終わる前にあと3話・・・ちと苦しいかもなぁ。
(〜^◇^)<真里エンバード勝ったー!
10 名前: ねぇ、名東って/1 [sage] 投稿日: 02/10/16 23:34 ID:fPGGwc71
不定期ドラマ「タイフーン娘。」
ほの暗い灯火が、心のさざめきに同調するように揺れている。

「本当に、本当によろしいのですか」
「案ずることはない。この職を継いだ日から我が身我が心は既に民びとに
捧げられておるのだ」
「しかし、あなた様のお命を奪うことなど私には・・・」
「この国を救うには、これしか手立てが無いと申したはそなたではないか」

烏帽子を着けた男は微笑し、巫女姿の女は泣いていた。

「さ、その儀式とやらを始めてはくれぬか? 程なく夜も明けように」
「御屋形様・・・」
「もはや詮方なきことじゃ。済まぬ、こらえてくれ・・・ゆう」
「御屋形様っ・・・!」

折から吹きすさぶ風の音が、一段と高くなった。嵐の前触れのように。



●第11話「天才娘あらわる!そよ風紺野、さわやかに登場」

タイフーン娘。がとりあえず集結し、お互いの意志を確かめあった翌日。
1年の高橋、新垣と小川のクラスに転校生がやってきた。

「今日からみんなと一緒に学園生活を送ることになった、紺野さんです」
「・・・紺野あさ美です。・・・北海道出身です。・・・好きな食べものは・・・」
11 名前: ねぇ、名東って/2 [sage] 投稿日: 02/10/16 23:43 ID:v475iGM1
強い緊張がうかがえる、たどたどしい口調の自己紹介。
不意に壇上の紺野と目が合った新垣は、その態度の固さの中に彼女が何か
重大なものを背負っていることを感じ取っていた。 すぐに高橋と小川に
目配せをすると、二人も無言のままうなずき返した。やはり直感するもの
があったらしい。

「あなたの席は、廊下側の列の一番後ろよ。小川さん、隣だから色々面倒を
みてあげて」

荷物を提げた紺野が小川の横に歩いてきた。

「・・・あ、よろしくお願いします」
「こっちこそよろしくね。何か分からない事や困った事があれば、遠慮
なく言ってね」
「じゃあ、さっそくですけど・・・生徒会室に案内してくれませんか」
「ふぇ!?」

いきなりの紺野からの依頼に面食らう小川。
それ以上にビックリさせられたのは担任教師だった。

「こっ、こ、紺野さん!?今は授業ちゅ・・・」

紺野が立ったまま担任の方を振り返る。教室を吹き過ぎていたさわやかな
風が、フッと途切れた。
12 名前: ねぇ、名東って/3 [sage] 投稿日: 02/10/16 23:44 ID:v475iGM1
「問題ないです」
「や、そんな! 授業中に勝手に教室を離れるなんて」

かけていた眼鏡を外す紺野。漆黒のつぶらな瞳は、見つめていると吸い
込まれそうな妖しい力を発散している。 再び教壇に歩み寄った彼女は、
ピィーっと鋭く指笛を鳴らした。そして一言、

「FREEZE!」

担任の周囲の空気がかすかに揺らぎ、同時に恐ろしく冷たいものに変化
した。まったく身動きできない担任は、脂汗を垂らしながら眼球だけを
せわしげに運動させているばかりである。紺野がセリフを繰り返した。

「なにも もんだいは ないです」
「んnnなにmもも、もんだぁいぃi、nんな・・・」

ろれつの回らない舌で紺野の言葉をリピートする担任。
タイフーン娘。の3人も気味悪げにその光景を凝視している。

「何も問題はないです」
「何も、問題、ありません」
「・・・完璧です」

13 名前: ねぇ、名東って/4 [sage] 投稿日: 02/10/16 23:45 ID:v475iGM1
イっちゃった目をして固まっている可哀想な担任を尻目に、紺野は
にっこり笑って教室を出た。そよ風がまた元のように吹きはじめる。

「ノープロブレム!行きますよ、小川さん。高橋さんも。新垣さんも」

促されてドヤドヤと後に続く3人。高橋が隣の小川にささやく。

「なぁにをやったんだろな?魔法か?」
「う〜ん(あさ美ちゃん、また濃ゆいHELLSINGネタを・・・)」

数分後、生徒会室。
室内には既に、自習を済ませて保田のところへ空き時間をつぶしに
来ていたマリとよっすぃーもいた。副会長の新垣・書記の小川を左右に
従えた保田が尋ねる。

「この子が転校生?」
「はい。紺野あさ美といいます」
「あさ美ちゃんかぁ。なんか来て早々、すごいコトしちゃってるよね」
「・・・すみません」

照れ笑いをしながら頭を下げる紺野。
14 名前: ねぇ、名東って/5 [sage] 投稿日: 02/10/16 23:47 ID:v475iGM1
「ま、いっか・・・で、生徒会長の私に用って?」
「あの、最初に教えて欲しいんですけど。飯田先生は今どこに?」
「飯田先生?先生なら休暇を取って旅行中だよ。北海道だって」
「よかった(予定通りですね・・・)」
「え!?」
「いや、何でも・・・。それじゃ、説明をしますから保田さん、後援会
から貰ったパソコンを貸してください」
「ん? もしかして私のファンがプレゼントしてくれたノートPCの
コト?いいけど・・・はい」
「次に矢口さん、鏡を貸してください」
「あれ?なんで紺野が『野分』を知ってるのさ?」
「ふふふ・・・実は台風界で色々研究していたんです」

紺野はマシンと鏡のセッティングをしながら事の発端について語り始めた。

「魔王ユーコ」は、その昔「神風ゆうこ」の異名を持つ凄腕の巫女で
あったこと。
彼女が、想いあっていた時の執権・北条時宗との契約により、彼の魂と
引き換えに台風の力を利用し、カミカゼを起こして日本に迫った元の
大軍を撃退したこと。
そして人間の身でありながら台風界に介入してしまった彼女は、その
類まれな超能力を封印されて丹波国に幽閉されたこと。
しかし、何かのきっかけで封印が解かれた彼女は魔王となって現代に
復活し、手始めに高橋らの暮らしていた妖精界を征服したこと。

これまでの状況を要約するとそういうことらしい。
15 名前: ねぇ、名東って/6 [sage] 投稿日: 02/10/16 23:51 ID:v475iGM1
「それでは、この画面を見ていてください」

娘。たちがぐるりと取り巻いて覗き込む中、紺野は流れるような動作
でキーを打ち込んでいく。どこかのサイトに接続したようだ。

「天気予報・・・だよね」
「そうですね、これは現在フィリピン海上にある台風21号です。
そしてこれが『あらかじめ定められた』台風の進路」

「あらかじめ・・・?」
「定められた・・・?」

画像が切り替わって、雲がアニメーションで動き始めた。台風の雲は
大きな弧の軌跡を描きながら日本の南海上を北上し、中心が九州北部
に上陸する直前でアニメ映像が止まった。

「今のコースをよーく覚えておいてください。次はこちらです」

そう言った紺野は横に並べてある魔鏡「野分」に数枚の呪符を貼り
付け、手を合わせて気を送り込んだ。マリが驚いたことに、魔鏡は
紺野の気に感応してパソコンのような映像を映し出した。
16 名前: ねぇ、名東って/7 [sage] 投稿日: 02/10/16 23:52 ID:v475iGM1
「・・・紺野、これは?」
「呪符のメモリからファイルをダウンロードしているものと考えて
ください。いま映っているのは、1281年、あの元寇『弘安の役』
の時の台風進路を再現した映像です」

フィリピンの沖合いで発生した巨大な台風の渦巻き雲が、弓なりに
カーブしつつ北上し、九州北部に接近・・・と、突然台風は1ヶ所
にとどまったまま猛烈に渦の旋廻を速め、次第に縮小しながら画面
から消失してしまった。

「さっきの台風とおんなじコース・・・」
「え? 最後のあれは何なの!?」

あまりに異常なシーンを目の当たりにした一同は口々に驚きの声を
漏らす。最後にマリが口を開いた。

「・・・おいらには分かるよ。 あの台風、あそこで力を奪われて
消えちゃったんだ。魔王ユーコ、いや、あの時だと神風ゆうこの手
にかかって・・・そっか、台風界に『カミカゼ』の名を受け継ぐ娘。
が居ないのって、そういう訳だったんだ!」
17 名前: ねぇ、名東って/8 [sage] 投稿日: 02/10/16 23:55 ID:v475iGM1
紺野が向き直って深くうなずく。

「さすがマリさん、その通りです」
「でもさ、台風直撃だったら敢えてカミカゼを起こさなくても元軍を
やっつけられたんじゃないのかなぁ?」
「はい。被害を与えるだけならあの台風でも十分だったと思います。
でも、それでは彼らが逃げ帰ってまた攻めて来たり、あるいは本土に
避難しようと上陸したりする可能性も残ってしまう」
「・・・」
「そこで、神風ゆうこは神の力で元軍30万を『完全に消滅させる』
方法を選びました。台風の強大なエネルギーをカミカゼに置き換え、
彼らを船団ごと『別の位相』へずらす奇跡を創り出してしまったん
です。暴風雨の翌日に溺死者も船の残骸も残らなかったというのは
そのためなんです」

「超」がつくほどに難解な紺野の説明に、大半の娘。はついて
いけなくなってきた。見かねて保田がフォローを入れる。

「・・・うん、つまり敵の船ごと異次元に飛ばしちゃった、ってコト
みたいだね」
「まぁ・・・認識としてはそんな感じで大体OKです。 しかし、
いま日本に迫りつつある台風は規模と進路こそ元寇の時のものと
まったく同じですが、その目的は正反対で・・・」
「じゃあ、魔王ユーコは!」
「妖精界の力も借りて再びカミカゼを起こし、元の軍勢を呼び戻して
博多上陸を企てている・・・台風界の王を始めとする首脳部では、
分析の結果からそのように結論を下しました。 そして研究統括官の
私自身が人間界へのメッセンジャーとして遣わされたんです」
18 名前: ねぇ、名東って/9 [sage] 投稿日: 02/10/16 23:57 ID:v475iGM1

「悪いけど話は聞かせてもらったわ!」
「げっ!? チャーミー、あなたいつの間に!」
授業をすっぽかすのもマリへの対抗心なのか?生徒会室の戸口に
仁王立ちで現れたのは、お馴染みチャーミーだった。

「魔王だか鬼解説員だか知りませんけどね、外国の軍隊が攻めてくる
ってのに何であんたたちがしゃしゃり出ようとするのよ?こういう
時のために自衛隊がいるんじゃない! 私のパパは防衛庁を筆頭に
政府中枢にも強力なコネがあるのよ!マリなんかよりも、私の方が
よっぽど頼りになるんじゃなくって、ねぇ?」
「残念ですが、陸・海・空いずれの自衛隊も、暴風圏下で所定の戦力
を発揮することはできません。航空機・艦艇は論外。陸自は辛うじて
部隊展開は出来るでしょうが、泥濘地では機動力の優位が打ち消されて
しまいます。 かといって舗装された市街地にまで侵入されての戦闘
は、もはや我が国にとって戦略的敗北と同義と言えます」
「で、でも30万人もの元軍なのよ? あなたたちにどうこう出来る
わけがないじゃない!」
「自衛隊にも不可能です、チャーミーさん。それとも米軍を動かして
福岡市の沖合いに反応弾を放り込めとでも?」

「ぐっ・・・」

チャーミーの完敗であった。
19 名前: ねぇ、名東って/10 [sage] 投稿日: 02/10/16 23:58 ID:v475iGM1
「でもね、あなたは別よ。役立たずじゃないわ」

チャーミーのさらに背後から現れた人物が言った。

「あ、飯田先生!!」
「お待たせ。あなたも、私たちと一緒に魔王ユーコの野望を食い止めて。
紺野もよく来たねー」

サイクロン飯田は、後藤と、もう一人の見慣れない少女を連れていた。
チャーミーも促してそのまま生徒会室に上がり込む。
室内を見回したマリが、あることに気付いて叫んだ。

「くぅ、じゅう、じゅういち。これで、11人全員そろったんじゃない?」

おぉ〜、というどよめきが上がる。
しかし、それを聞いた紺野だけは瞬時に顔色を変えた・・・

「じゅういちにん・・・ですか!?」
「そうだよ、つーく♂って妖精がタイフーン娘。11人に手紙を送って・・・」
「えっ、じゃあ高麗のソニンさんは?南宋のRuRuさんは?水軍松浦党の
あややさんは・・・? なんてこと・・・あの時とは状況が全然・・・」
20 名前: ねぇ、名東って/11 [sage] 投稿日: 02/10/16 23:58 ID:v475iGM1
この様子を窓の外から窺っている謎の人影がひとつ。
それは、紺野が一瞬さらけ出した心のスキを見逃さなかった。

(ヒュンッ)

異変を察知した彼女は咄嗟に身をひるがえしたが、この奇襲を完璧に
かわしきることは出来なかった。右ひざがパックリ裂け、鮮血が吹き
出した。

「かまいたち!!」

だんっ、と席を蹴って外へ飛び出す保田。黒い影が駆け去るのが
僅かに見えた。すぐに血相を変えたよっすぃーと後藤が後を追う。
一方、マリは倒れた紺野を抱え起こした。

「紺野、紺野しっかり!」
「・・・わ、私は大丈夫です。それより今の影・・・」

                           (つづく)

長文+大風呂敷ひたすらスマソな矢口・・・一応ハッピーエンドには
なるんですよね?
447 名前: 1.3.5担当 [sage] 投稿日: 02/07/25 04:33 ID:7cexvbtI
>>423の言葉に「あなたに台風男爵の爵位を授けます!」と
わけのわからない感謝の仕方で涙ぐんでいる矢口。

ドラマ「タイフーン娘。」DVD初回映像特典
04話「どっちの味方?センセーション(旋風)後藤、軽やかに見参!」 没プロットバージョン
〜あらすじ〜
大声援が響き渡る中、リングインする後藤。
だが、試合前のマイクアピールで後藤は意外な言葉を口にする。
「あのー、後藤こういうのヤなんですけど」
戦いは正々堂々行うべき、今日限りチャーミージムは辞めると宣言する後藤。
騒然とする会場。チャーミーは「裏切り行為よ」とヒステリックに叫ぶ。
「ごっちんを始末してしまいなさい!」
逆上したチャーミーの命により、チャーミージムの精鋭たちがリングへと駆け上がる。
烈風の柴田、疾風の大谷、爆風の斉藤、逆風の村田。
異種格闘界に奴ら有りと謳われたメロン四風団だ。
「面白いじゃん。いくよ、ハリケーンよっすぃー」「えっ?・・・うん!」
共闘し、メロンに対するよっすぃーと後藤。
突然のハンディキャップマッチに、チャーミー派の観客もエキサイトし始める。
むろん、マリもコーナーポストに登ってやんやの大喝采だ。
「いけー、よっすぃー! 後藤もがんばれー!」
ひとり、またひとりと倒れていくメロン四風団。
そしてついに、よっすぃーの「破裏拳奥義・脚気鋭(かっけー)」が最後の柴田を打ち倒す。
おさまらないチャーミーだったが、観客はよっすぃー&後藤に惜しみない拍手を送る。
悔しそうに会場を後にするチャーミー。「おぼえてらっしゃい!」

「どうもありがとう、センセーション後藤!」
控え室から出てきた後藤に、笑顔で握手を求めるマリとよっすぃー。
だが、後藤はその手を払いのける。
「勘違いしないで。今日は今日。次に戦う時は、また敵同士だよ」
去っていくその背中に、何も言えないマリたち。

数日後。モーニング学園に転校生がやってくる。
「んあー、後藤真希です。通り名はセンセーションです」
驚きに声もないマリ、よっすぃー、そしてチャーミー。
あえて騒動の渦中に身を投じる後藤の真意とは、いったい・・・?

 ――まだ話が半分もいってないのに
 「DVDの印税で、台風さん買えないかな・・・」と夢想する矢口。